Ankiの重複カードの探し方と残すカードの選び方

前に復習した覚えのある問題が、Ankiで新規カードとして出てきた。インポートで同じ内容がもう一つ入ったのかもしれません。同じノートから作られた別のカードということもあります。ブラウザーで1行削除するだけでも、残したかった向きのカードを含め、そのノートのカードがすべて消えることがあります。

Ankiの重複カードを整理するなら、まずどのノートから作られたカードかを確認します。別々のノートなら、Notes → Find Duplicates で候補を探します。フィールドの一致を手がかりに、ノートの内容とカードごとの復習履歴を比べ、グループごとに残すノートを決めます。

以下の手順はデスクトップ版向けです。2026年10月4日に確認したAnkiのマニュアルとリリース版のソースコードに基づいています。練習例は架空で、表には手順どおりに進めた場合の想定結果を載せています。

チェスクラブのメンバーが、木のチェス盤の上で淡い色の予備のルークと使い込まれた2つのルークを見比べている

まずは何が重複しているかを確認する

ノートには Front(表面)や Back(裏面)などのフィールドがあります。Ankiはテンプレートに沿って、フィールドの内容からカードを作ります。たとえば、単語を登録した1件のノートから、単語を見て意味を答えるカードと、意味を見て単語を答えるカードを作れます。同じノートからできるこうしたカードを兄弟カードと呼び、それぞれ別のスケジュールで復習します。Ankiのノートとフィールドの解説

ブラウザー(Browse)を Cards モードに切り替えます。重複に見えるカードを1枚ずつ選び、Cards → Info を開いてノートIDを比べます。IDが一致すれば同じノートのカードです。IDが異なれば、元のノートも別々です。nid:123 の 123 を実際のノートIDに置き換えて検索すると、デッキを問わず、そのノートのカードを確認できます。AnkiのID検索の解説

見つかったもの 考えられる理由 次に確認すること
同じノートから出題され、問題と答えが逆 意図どおりに作られた兄弟カード 両方の問題が学習に役立つか確認する
同じノートから同じ問題が表示される カードテンプレートが重複している可能性がある テンプレートとプレビューを比べる
別々のノートから出た問題が同じに見える 重複ノートの候補 ノート全体を比べてからどちらを残すか決める

兄弟カードの出題方向については、Ankiで逆向きのカードを作るガイド(英語)を参照してください。片方だけ出題を止めたい場合は、そのカードを休止する手順(Suspend、英語)を使います。休止したカードはコレクションに残ります。

テンプレートが同じ場合は、Anki公式の重複カードの調べ方に沿って確認します。テンプレートを削除すると、別のデッキにあるものも含め、そのノートタイプを使うすべてのノートに影響します。目の前の重複を整理する作業とは分けて、ノートタイプ全体の変更として扱います。

検索範囲を決めて重複ノートを探す

Notes → Find Duplicates を開き、Front など、比較したいフィールドを選びます。初期設定では、そのフィールドを持つすべてのノートタイプが検索対象になります。Optional filter で範囲を指定し、Search をクリックします。Anki公式マニュアルの Find Duplicates の説明

Cleanup practice というデッキに絞る場合は、次のように入力します。

deck:"Cleanup practice"

デッキを指定した検索にはサブデッキも含まれます。別のデッキにも同じノートがありそうなら、フィルターを外してコレクション全体を検索します。一つのデッキで重複が見つからなくても、ほかのデッキにある可能性は残ります。Ankiのデッキ検索の書式

検索結果のグループをクリックすると、その中のノートを確認できます。Tag Duplicates を押すと、残す予定のノートも含め、一致したすべてのノートに duplicate タグが付きます。リリース版のタグ付け処理でも、各グループの全ノートが対象です。tag:duplicate の検索結果は一括で削除しないでください。 タグで候補を一覧にして、不要なノートを1件ずつ選びます。

この検索で比べるのは、選んだフィールドの内容です。二つの問題が同じ知識を問うているかまでは判定できません。言い回しの違う問題は手動で探す必要があるかもしれません。文面が同じでも、対象の言語や講座が違う場合もあります。

3組の例で残すノートを考える

サブデッキのない Cleanup practice に、6件のノートがあるとします。AとBは Basic (and reversed card) のテンプレートをそのまま使っているので、カードは2枚ずつです。C〜Fは Basic で、カードは1枚ずつです。8枚ともこのデッキに入っています。A〜Fは練習用の記号です。Ankiが付けるノートIDとカードIDは数字です。

ノート 表面 → 裏面 架空の学習状況 判断
AとB le vélo → bicycle Aは意味を答えるカードを12回、単語を答えるカードを3回復習。Bは2枚とも新規 Aを残す。Bは最初の削除候補
CとD Chemical symbol for silver? → Ag Cは20回、Dは6回復習 両方の履歴を比べて、どちらで学習を続けるか決める
EとF Eは bank → financial institution、Fは bank → side of a river 問う意味が異なる 両方残し、問題文に文脈を足して意味を区別する

Front を対象に重複を探すと、3組とも候補に挙がる可能性があります。すぐに判断できそうなのは最初の組だけです。それでもBを削除する前に、すべてのフィールドに加え、メディア、タグ、ノートタイプ、各向きで実際に表示される問題を比べます。Bにだけ発音を確認できる音声が付いていたり、Bからしか作られない問題があったりするかもしれません。

同じ学習目的に役立つ内容があれば、残すノートに必要な分をコピーし、プレビューで確認します。出典を示すタグも、役立つものは残します。問う内容そのものを変えるなら、新しい問題を作って復習履歴を分けます。

CとDを比べるときは、復習回数だけで判断せず、両方のカードで復習した日付とそのときの評価、現在の復習間隔、次の出題予定を確認します。回数が多いカードは、単に覚え直しが多かったのかもしれません。問題と答えが学習に役立つことを確かめてから、どちらのカードで復習を続けるか決めます。答えが食い違う場合、正しいかどうかは復習回数では分からないので、まず教材や出典を確認します。

Cを残してDを削除しても、2枚の復習履歴は統合されません。Cはそれまでの学習状態で復習を続けられます。履歴はAnkiの Card Infoでカードごとに確認できます。削除したノートの復習ログはコレクション全体の統計に残りますが、デッキ別の統計には表示されなくなります。残したカードに履歴が移ることもありません。削除したノートの統計に関する公式マニュアル

判断がつかなければ、削除は後回しにします。確認したい点を控え、必要なら不要と思われるカードを休止してから調べます。

重複と確認できたノートを1件削除し、記録と照合する

実際のノートを削除する前に、まずほかの端末で同期を済ませます。次にデスクトップ版を同期して、変更をコレクションに取り込みます。手順はAnkiの同期マニュアルで確認できます。File → Export で形式を Anki Collection Package(.colpkg)にし、Include Media をオンにして保存します。このファイルには、すべてのデッキと各カードの復習スケジュール、復習履歴が入っています。ファイルは安全な場所に保管してください。インポートすると、開いているプロファイルのカードが保存時点のコレクションで丸ごと置き換わります。コレクションのエクスポートに関する公式マニュアル

削除の練習をするなら、File → Switch Profile から別のプロファイルを作り、そこにバックアップをインポートします。練習用プロファイルはAnkiWebに接続せずに使ってください。プロファイルごとにコレクションが分かれていますが、両方を同じアカウントにつなぐと、一方のコレクションでもう一方を上書きするおそれがあります。APKGとCOLPKGの違いを解説するガイド(英語)では、バックアップに含まれる範囲と、インポートが影響する範囲を説明しています。

この練習例では、Aの意味を答えるカードをA1、単語を答えるカードをA2とします。Bの対応するカードはB1とB2です。Cards → Info を開き、Aの2枚それぞれについて、実際のカードID、出題予定、復習間隔、後で照合できる復習履歴を控えます。BのノートIDも記録します。削除前後の比較は同じセッション内で行い、その間はAもBも復習せず、スケジュールも変更しません。

Ankiの重複ノートは、次の手順で一件ずつ削除します。

  1. ブラウザーの検索欄を、Bの実際のノートIDを使った nid: 検索に切り替えます。Cards モードで結果をすべて確認し、両方の出題方向をプレビューします。実際の整理では、ほかのデッキにある兄弟カードも確認できるよう、デッキの指定を外して検索します。
  2. Notes モードに切り替えます。検索結果が不要なBのノート1件だけであることを確認し、そのノートだけを選んで Notes → Delete を実行します。Ankiの削除コマンドは、Cards モードで1行だけ選んだ場合でも、元のノートとそのノートに属するカードをすべて削除します。
  3. BのノートIDで再検索し、結果が0件になったことを確認します。次に、控えておいたAのカードIDをカンマで区切って cid: で検索し、両方のカードの Info を記録と照合します。
  4. deck:"Cleanup practice" で検索し、Notes モードと Cards モードそれぞれの行数を確認します。残ったノートも下の表と照合します。

Bだけを削除したときの想定結果です。

確認項目 削除前 削除後の想定結果
練習用デッキ全体 ノート6件、カード8枚 ノート5件、カード6枚
自転車の問題の組 A1、A2、B1、B2 A1とA2だけ
AのカードID、出題予定、復習間隔、履歴 控えておいた内容 同じカードが残り、予定、間隔、履歴も一致する
BのノートIDで検索した結果 Bのカード2枚 0件
銀と bank のノート C、D、E、F 同じ4件が残る

この例では、ノートを1件削除するとカードが2枚消えます。間違ってAを削除しても件数は同じですが、残すつもりだった復習済みのカードが消えてしまいます。件数に加えてIDも確認してください。整理中は、残すカードをリセットしたり、出題予定を変更したりせずに進めます。

コレクション全体の復習グラフには、削除したカードの復習が引き続き含まれることがあります。学習の進み具合が保たれているかは、残したカードのIDと Info で確かめます。

この組の結果が記録と合っていれば、次の組に進み、その組で残すノートを選びます。コピーで練習した場合は、まず実際に使うプロファイルで同じ手順を踏みます。整理後のコレクションを確認してからデスクトップ版を同期し、ほかの端末も学習を再開する前に同期します。インポートが重複の原因なら、次に取り込む前にCSVで既存のノートを更新するガイド(英語)を参照してください。同じ内容を複数のトピックに分類するためにノートを複製していたなら、タグで複数のトピックに分類する方法(英語)を使うと、学習履歴を一つに保てます。

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